貴族生活以上の肉体労働の低下

 2000年もの長い間、肉体労働なしで生活した京都の貴族社会が選別して現在残った食べ物は「うす味」であります。

 近年の労働は機械化され、自動車によって歩く事すらなく、昔の貴族の肉体労働よりも低下しているのではないかと思われます。労働は具体的に農家では、耕耘機でも手持式のトラクターから運転式のトラクターになり、肉体労働の代名詞だった土木工事もブルトザー、今日ではユンボー等、機械化されて肉体労働が無くなって来ています。これが肥満、成人病の原因となり、甘みも含めて「濃い味」が敬遠される様になって、菓子業界の大きな問題になっている。昔どおりの「濃い味」「クドイ味」から脱皮しないと、消費者の要求に答える事は出来ないと思います。

甘味には 「クドイ甘味」

「甘味度」
「割(糖度)」の三つに分けて考えないと、いけないと思います。

現代の消費者は「クドイ甘味」がきらいです。

 「クドイ甘味」はモナカ類に多く多く見られる様です。モナカは割自体も高いのですが、日持ちするるよう、「ナカ」ないよう、多くの製品が水飴を使用しています。この水飴には「ブドウトウが多く含まれていて」熱に弱く、加工することで、そのブドウ糖が焼けて「クドイ甘味」になります。それで、水飴を使用する場合、ブドウ糖が焼けない様に「餡」が練り上る寸前に入れ、練り上がったら、あら熱を取る為にひと固まりに並べて冷やす方法が取られているのは、昔からの職人さんの「クドイ甘味」に対する高度な技術です。

ブドウ糖、果糖の焼けについては、一番だれにでも良くわかってもらえるのは、上白糖とグラニュー糖を「餡」練りに使用した時の「甘味」のちがいです。

わずか1.68%の(ブドウ糖、果糖)含有率のちがいで「あっさりした甘味」と「クドイ甘味」にわかれます。

シュークロース
(砂糖)
フラクトース
(果糖)
グルコース
(ブドウ糖)
上 白 糖 98.28 0.57 1.14
グラニュー糖 99.82 0.01 0.02

甘味度とは、砂糖の甘味度を100とした時の、ほかの糖の甘さを甘味度といいます。

 近年、マルトース、還元水飴、トレハオース等、たくさんの甘味度が少ない糖が販売されています。この様に甘味度については、色々の糖がありますが、糖自体の甘味度は低いのですが、前にのべた「クドイ甘味」の原因となるブドウ糖、果糖の単糖類が含まれていると、糖が焼けて、その低甘味のはずが、低甘味とは感ぜずに、むしろ「クドイ甘味」となります。

割は菓子を保存するのに、一番大きな問題になります。

 今までのべました「クドイ甘味」「甘味度」の事が良く理解出来ると、割は高くして「クドク無い」「甘味をオサエタ」菓子を作る事が出来ると思います。

“和菓子の甘味は「あん」しだいです。